仕事で日々忙しい中、そもそもなぜ本を読まなくては行けないのかと思い、その答えを探して手に取った。私は単純に面白く新たな発見があるから本を読んでいるのですが、リクルート社初代フェローを経て、都内では義務教育初の民間校長を務めた独特の経歴を持つ藤原和博さんはどのように考えるのか。
内容をまとめながら出した答えは、社会の変化で一人一人の幸福や価値観が多様化したことで、自身の幸福をつかむための教養は自分で獲得して行かなくてはいけなくなり、読書を通じてその教養を深めたり、論理的な視点に立って実行していくことが必要となったから、ということ。
これは出版総部数が伸びないと言われる中、自己啓発書は減ることなく推移していることから、本を読む人は各自が自覚するしないに関わらず、まずは仕事や生活の改善に役立つ自己啓発書を手に取りつつ、自身の幸福のためにその他の様々な本を読み日々精進していることが伺える。また、そうした背景から自己責任論も強くなり、最近話題の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の題名に象徴されるような余裕のない働き方・生活の仕方にも繋がっているのではないかと思う。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の書評・感想
題名に釘付け 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 書評と感想 - 自分に優しく☆気ままに読書 (hatenablog.jp)
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『本を読んだ人だけが手にするもの』 藤原和博 日本実業出版(2015.10初版)
日本における20世紀型成長社会
「みんな一緒」
↓
「それぞれ一人一人」
という時代へ。
↓
それぞれ一人一人の幸福を掴むための教養は自分で(読書をして)
獲得しなければならない。
21世紀は教養が大事。
読書する(⇒エキスパートへ)・しない(⇒フリーターへ)に分かれる
読書と自分なりの意見の相関⇒読書を通じての知識のインプットを蓄積していないと
自分の意見は出てこない。
↓↓↓
深い論理的な思考をする上で本は絶対に欠かせないもの
これから先の日本では
身分や権力やお金による階級社会ではなく
「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される
階層社会がやってくるだろう
人間にとって最もインパクトが有るのは「個人的でリアルな体験」
本は著者を通して「個人的でリアルな体験」を味わう事ができる手段
本を読むとは<見方><味方>を増やすこと
=著者が獲得した知恵を読者の脳につなげる行為(世界観・共通点の共有)
⇒様々な脳(人)の交流が可能になる
自分の脳と他者の脳のかけらとつなげることで自分の脳が拡張される。
筆者は「純文学を読まないと人として成長できないよ」と言われて読むようになった。
エンターテインメントとして無条件に楽しんで読みながら、現代社会の空気のようなものを感じていた。
コンプレックスや様々なことを克服していくために
話についていくためには、とにかく本を読むしかなかった。
良い本に当たるには数をあたるしかない。
人生における偶然の素晴らしい出会いを効率的に設定することは出来ない。
習慣化した乱読がおすすめ。
=付録として掲載=
ビジネスパーソンに読んでほしい14冊
学校では教わらない現代史を学ぶ10冊
中学生から高校生の子を持つ親に読んでほしい15冊
子どもと一緒によみたい11冊